すぎやまこういちさん追悼 ガロへの提供作品
9月30日にすぎやまこういちさんが亡くなっていたとのニュースが飛び込んできました。
どちらかというとドラクエの音楽を手がけたことが大々的に取り上げられていましたが、一定以上の年齢の方にとってはやはりガロを一躍スターにした学生街の喫茶店の作曲者でしょう。
ガロに提供した曲としては学生街以外に君の誕生日が有名ですが、そのほかにもすぎやまさんは提供していて、全部で7曲あります。
今回はその7曲を紹介します。
・水車は唄うけど
GARO2収録。マークがリードボーカルでしっとりとした曲。(ちょっとハモりが少ないというか、単調というか、)取り上げられることは少ないですが、美しすぎてのように割とガロらしい曲だと思っています。だからこそ影が薄くてもったいない曲でもあります。
・学生街の喫茶店
GARO2、「美しすぎて」のB面収録
あまり説明する必要もないと思いますが、とにかくイントロのインパクトがすごい。そして曲調も唯一無二。編曲の大野克夫さんの力でもありますね。
GARO LIVEにはライブ音源も収録されています。
すぎやまこういちさんが作曲したシングル曲の累積売上で一番多いのがこのシングルだそうです!
ちなみに3位もこれまたガロで君の誕生日。
1973年の第24回紅白歌合戦にガロが出場した際、歌唱。オーケストラの指揮はすぎやまさんがされて、お茶目にピースサインを見せています。ガロよりアイドルっぽい…笑
・君の誕生日
シングル曲。学生街の喫茶店に続くヒット曲。
編曲もすぎやまさん。間奏で学生街の喫茶店のメロディが出てくるという。きーみとよっく、こーのみせっに、きったっものっさ〜♫
シングルの音源ではボーカルが歌っていないので、3人で歌唱のものを。
・二人だけの昼下り
GARO4、「ロマンス」のB面収録。トミーがリードボーカル。
BメロではAメロが重なり輪唱になっています。歌謡曲でこれはかなり斬新な歌ではないでしょうか。サビでは分厚いハモり。ガロだから歌える、とすぎやまさんがつくってくれたのではないかなあと想像してみたり…(当の本人たちは「口づけ」という歌詞に照れたこともあってライブではあまり歌わなかったようですが)
・君の肖像
GARO4収録。編曲もすぎやまさん。二人だけの昼下りもそうなのですが、トミーの歌声が生かされた曲だと思います。そう考えるとガロの中でトミーが一番歌謡曲寄り?
この曲も「口づけ」ワードが出てくるからか、YouTubeなどでもライブ音源はあまり聴いたことがないような。個人的にはすぎやまさんの曲の中で一番好きです。
・姫鏡台
シングル曲。ボーカルがリードボーカル。学生街の喫茶店のような曲調で日本情緒漂います。再び同じような曲調でヒットを狙ったものと思われますが、さすがに二番煎じな気もします…。
当時のテレビでの演奏でマークがシタール、トミーが琴を弾くというはカオス感溢れていておもしろいです。ボーカルはロシア帽だし笑
・春のボート
オリジナルシングル、アルバム未収録。
「ゴールデン・ベスト GARO アンソロジー 1971~1977」という2002年発売のベストアルバムに収録されています。(サブスクでも聴けますが、ガロでは珍しくこのCDは今でも新品が手に入ります!ので、ぜひ買いましょう!)
ボーカルがリードボーカル。学生街の喫茶店や姫鏡台とは違って明るい曲調。春の陽気な感じが伝わります。
以上、ガロへのすぎやまさん提供曲でした!
7曲、と書きましたが春のボートのように未発表曲が実はあるかもしれないです…知ってる方はぜひぜひ教えてください笑
ファンの中にはガロを歌謡曲路線に持って行った人としてすぎやまさんに愛憎入り混じる感情を抱いている人もいるかと思いますが、個人的にはガロを有名にしてくれてよかったと思います。
学生街の喫茶店がなければ紅白出場歌手でもなく、同時代に一部の人たちから演奏力がすごいと思われるだけで終わっていたでしょう。
確かに元々のガロの本質とはかけ離れたものですが、歌謡曲がガロに合っていたというのも事実。ガロの新たな一面を開拓してくれてありがとうって感じです。
そしてこのブログではガロを推しているので具体的には書きませんが、グループサウンズ提供曲などもたくさんいい曲があります。
この機会に発掘、再発見してみてください。
改めてすぎやまこういちさん、たくさん素敵な曲を残してくださりありがとうございました。