二枚目 猫
今回は猫のセカンドアルバムを取り上げます。アルバムタイトルはそのまま「二枚目」です。
1973年7月21日発売
ジャケット写真
裏
なんだか楽しそう。歌詞カードにも鉄棒にぶら下がっていたり教室で席についていたりする写真があり、なかなか面白いです。中学校か高校で撮影したのかな。
このアルバムでのメンバーは
内山修さん
田口清さん
常富喜雄さん
石山恵三さん
御守孝明さんNEW
です笑
新しく御守さんが加入しての5人体制です。おんもりさん。
A面
1、昼下がりの街
岡田富美子作詞、常富喜雄作曲
田口さんボーカル。シングルカットもされています。
ファーストアルバムでもそうだったのですが、猫の場合は作曲者が歌うと決まっているわけではありません。
2、風死す
岡本おさみ作詞、石山恵三作曲
内山さんボーカル。
満員電車に乗っているサラリーマンの逃げ出したい気持ちを歌っています。
働きすぎるのはすりきれるし
働かないのはうしろめたいし
というのが言い当て妙です。
3、えくぼの唄
やなせたかし作詞、田口清作曲
田口さんボーカル。
やさしくて、温かい歌い方。
泣きたいとき
私がまんするの
の最初のフレーズで引き込みます。言葉の一つ一つがスッと入ってくる。
「みんなのうた」とかで流れないかしら。
やなせたかしさんのWikipediaを見ると、「絵本作家・詩人としての活動が本格化する前までは頼まれた仕事はなんでもこなした」とあり、この作品もやなせたかしさんの(ご本人もおそらく忘れていた)初期の仕事の一つでしょう。
猫との関係はよくわかりませんが。
4、新婚白書
南こうせつ作詞・作曲
常富さん×御守さんツインボーカル
とても軽快な歌。使用楽器に「スティール・ギター」という記載がありますが(演奏はメンバーでなく石田新太郎さん)、ハワイアンな感じもします。
バンジョーがよく登場するのも猫の特徴ですね。
男性パートを常富さん、女性パートを御守さんが歌っています。
間奏ではこうせつさんの語りも。
「うちにいる猫、あんた、捨ててしまえ」
アドリブですかね。
5、飛行場
常富喜雄作詞・作曲
常富さんボーカル。一人切々と歌います。
個人的にはファーストアルバムの「僕」に比べたらボーカルに力が入っていなくて好きです。
B面
1、運河のある町
清瀬潤作詞、内山修作曲
内山さんボーカル。
サビでハモっているのが内山さん自身という。
なお、作詞の清瀬さんというのはどこの方なのかよくわかりません。調べておきます…
2、小さな店で
清瀬潤作詞、田口清作曲
田口清さんボーカル。
もう別れてしまいそうな恋人同士。どうにもならない感じがします。
田口さんの声と、アウトロの泣きのギターが私を泣かせにくる。
3、恋は恋
岡田富美子作詞、内山修作曲
石山さんボーカル。
石山さんがボーカルを取った唯一の曲。なんだかどこか抜けたような、鼻にかかったようなお声です。曲も軽快でほわほわしています。しあわせに包まれてますね(嫌味ではない)。
4、KISS
岡本おさみ作詞、内山修作曲
内山さんボーカル。
主人公(?)は樹や闇の声が聞こえるという、かなり不思議な人。だけど特にそれには触れず。岡本おさみさんの歌詞ってすごい。タイトルの意味は歌詞を読めばわかります。
女性目線なのだけど、内山さんが淡々と歌うのであまり違和感はありません。
5、一人にはしないよ
常富喜雄作詞、御守孝明作曲
御守さんボーカル。
…猫、どうした? って一瞬戸惑うような一番ロックな曲です。全体的にエレキとドラムが目立つ。アルバムの中で唯一使用楽器にアコギが記載されていません。
あまり詞が曲に乗っていない気がするので詞先でしょうか(これで曲先だったら常富さんごめんなさい。そうでなければ御守さんごめんない)。
ちょっと貶してしまいましたが猫を好きになった時一番好きだったのがこの曲でした。
猫において御守さんが唯一作曲した曲でもあります。
6、花屋にある通り
田口清作詞・作曲
田口さんボーカル。
最後は猫らしい感じでお別れ。シングルでは昼下がりの街のB面です。
御守さんが加入して少しさらにエレキが加えられて、より洗練された感じになりました。
作曲も南こうせつさんが作った一曲以外はすべてメンバーのもので、猫も一年で立派になりましたね(?)
なお、御守さんはその後猫を脱退してメロディーメーカーというロックバンドを組みます。アルフィーや甲斐バンド、ふきのとうなどと同じ74年組です(勝手に命名。1974年デビューの歌手たちのことです)。このアルバムでももっとリードギターが弾きたい!という御守さんの熱が伝わってくるような気がします。
そして代わりに大久保一久さんが加入するのでした。