アルバム 猫(1) 猫
タイトルをどう書こうか迷いましたが今回は「猫」という歌手の「猫」というファーストアルバムを取り上げます。
(いつもの「歌手名 アルバム名」という書き方だと「猫 猫」になってしまう汗)
1972年12月21日発売
まずはジャケット写真を。
裏には石山恵三さん。
どうも。
ちなみにシングル「地下鉄にのって」はこんな感じ。
傘連判状のような←
個人的にはこのジャケットの紙質が好きです。
もし手にする機会があれば触ってみてください笑
猫はメンバーの入れ替わりが多いのですが、この時のメンバーは
内山修さん
田口清さん
常富喜雄さん
石山恵三さん
西木栄二さん
木田高介さん
の6人が記載されています。
ジャケット表に写っているのは左から常富さん、内山さん、田口さん。この3人が結成から解散までずっといる中心人物です。
このアルバムでもボーカルをとっているのはこの3人のみです。
A面
1、雲めぐり
猫作詞・作曲
田口さんボーカル。
「おいら」という一人称や、ほわんほわんという気の抜けたエレキの音が猫らしい。
2、もう陽は昇らない
常富喜雄作詞、イアン・アンダースン作曲
内山さんボーカル。
ブルースっぽくハーモニカとアコギでジャカジャカやっていたと思ったら、突然エレキがウィンウィンになって驚かされる。途中で曲調がガラッと変わる。
洋楽の日本語訳カバーなのかなと思うのですが洋楽に疎いため不明です。もしそうだとしたら、イギリスのジェスロ・タルというバンドかと思われます(イアン・アンダースンがそのリーダー)。
3、ぼくのじどうしゃ
常富喜雄作詞・作曲
内山さんボーカル。軽快で呑気だけど、どんどん車が壊れていく…
4、涙
漆原好夫作詞、田口清作曲
田口さんボーカル。他の曲とは違ってストリングスが中心で、1人しっとりと歌い上げます。
ちなみに漆原さん、ここでしか名前を聞いたことがないのでネットで調べてみたら「矢沢永吉原理主義用語の基礎知識」なんていうのがヒットしました。以下引用です。
【漆原好夫 (うるしばらよしお)】
キャロルが所属していた事務所「バウハウス」の社長。愛称は「よしお(ちゃん)」アルバム「GOOD-BYE CAROL」の中で、矢沢が「よしおさぁ~悪くないでしょ!?」と言っているのが彼の事である。(中略)
早稲田の学生時代に「早稲田プロデュース研究会」に所属し、副会長を務める。ちなみに会長は、ユイ音楽工房を起こし、吉田拓郎、南こうせつ、かぐや姫、小室等と六文銭、猫を擁してフォーク業界を席巻し、現フォーライフレコード代表取締役社長の後藤由多加(豊)。(中略)
サークルあがりの若者が、フォーク&ロック業界を仕切ったというのが、黎明期を物語っている。
だそうです。この方ですね。
http://id43.fm-p.jp/7/yazawaj/?module=viewdc&action=plist&hpid=&stid=2&idx=3
5、片想いのブルース
田口清作詞・作曲
田口さんボーカル。
「地下鉄にのって」のB面曲。イントロやアウトロには話し声や拍手が入っていてライブハウスで演奏しているかのよう。ハーモニカ、エレキ、ピアノの音がステージ上で視線を移させるかのようにフレーズを奏でていきます。
6、僕
常富喜雄作詞・作曲
常富さんボーカル。
壮大なイントロ。A面最後の曲で、歌詞も曲も長いです。少し力の入ったボーカルのように聴こえます。常富さんは声がかわいいのですが、この曲では本人はそれをできるだけ消して、男らしく歌おうとしているような。それが個人的にはちょっと無理しているように思えます。私はかわいい方が好き。
B面
1、地下鉄にのって (アルバムバージョン)
田口さんボーカル。
シングルヒットした「地下鉄にのって」。こちらはシングルよりもスローテンポです。アルバム全体としてはこっちのテンポの方が合っていて良き。
丸の内線に乗っていて、歌詞と追っかけコーラスによって今どこにいるのかわかって面白い。ずーっと彼女に話しかけ続ける彼笑
2、さよならムー
かぜ耕士作詞、小室等作曲
田口さんボーカル。
拓郎さんの歌を歌ったかと思うとお次は小室さん。これまた田口さんにぴったりハマっています。
3、歩いていようね
及川恒平作詞、内山修作曲
内山さんボーカル。
意識せずとも男らしい声の内山さん。
作詞は「おいかわこうへい」さん。苗字の読みがなかなか難しいのでひらがなで書いてみました。及川さんは小室等さんの六文銭繋がりですね。
4、おとぎの国へ
及川恒平作詞、常富喜雄作曲
常富さんボーカル。こちらはあまり力んでいないので良き。人魚姫やピーターパンが出てくる歌詞が割り当てられている(詞と曲どちらが先かはわかりませんが)のが常富さんに合っています。内山さんじゃ変な気がしますから汗
5、さよなら僕は気まぐれ
吉田拓郎作詞、田口清作曲
田口さんボーカル。
少し他の曲よりロック調で、猫の音楽性の広さを感じさせます。セカンドアルバムへの布石のよう。
以下アルバム全体について。
ゆるさと気だるさ、アコギ中心ですがそれにエレキサウンドが突然くる。ブルースっぽい曲が多く、少しフォークとは違うかも。
当時ニューミュージックと言われたのも頷けます。今日定義されているニューミュージックとは違った土臭さがあるのですが。
ドラムというよりパーカッションが目立ち、軽快さを醸し出しています。
メンバーとして表記されている木田さんはディレクターとの記載もあり、楽器を色々弾いていますがメンバーというより手伝ったという感じでしょう。
色んな人に手を貸してもらってつくられた作品だとも言えます。
ちなみに、及川さんやかぜ耕士さんのWikipediaの提供曲一覧を見ると猫の作品の記載がないのでどなたか書いてください笑